お役立ち講座①
聴覚学(オーディオロジー)を基に
音と脳科学から伝わりやすい伝達術を紹介します。
①音の性質
②人の聴覚の特徴
③高い音は減衰しやすい
コロナ禍のオススメ伝達術
拡声器
ポップ
①「音」は波です。
音の性質
「音」とは、媒体の振動です。
「音」は、1秒間に摂氏15℃のときに340メートルすすみます。
1秒間で1振動の波を1Hz(ヘルツ)としています。
音源が音の速さを超えるとき下のことがおきます。
1Hzとは約340メートルの1つの波ですから
100ヘルツは1つの波が3メートル40センチとなります。
1000ヘルツは、34センチの波
4000ヘルツは、8.5センチの波の長さになります。
低い周波数の音エネルギーは強い
音エネルギーは、母音の主成分も含まれる低い音(1,000Hz以下)が90%以上をしめます。
有音子(ガ行、ダ行など)、子音(タ行、ナ行など)が含まれる1001ヘルツ以上の音のエネルギーは、
音エネルギーの5%しかありません。
低い音・高い音の特徴
低い音の特徴
音エネルギーが大きい
だから防音が難しい
音の方向性がつかみにくい
ジュラシックパークの映画で大型恐竜が近づくとき車の中の水が入ったコップに波紋が広がる印象的なシーンがあります。
低い音の力強いイメージを伝えています。
高い音の特徴
音エネルギーが小さい
言葉の了解に大きく貢献している
簡単に音が遮られやすい
音の方向性がわかりやすい
ティンカーベルが、映画館で飛び回るのを感じるのはドルビーサラウンドで高い音が右に左に移るから。高い音は、恋の甘酢っぽさや緊張感など効果的に伝えます。
音の性質の次は、聴き取る人の聞こえの変化を解説します。
②人の聴覚
人の聴覚は変化します
そして加齢という理由だけで誰しもが
高い音から聞こえづらくなります。
加齢という理由だけでサ行、タ行などの子音から聞こえが変化していきます。
高齢になるほどに高い周波数の聞き取りが弱くなります。
③エネルギーが少ない高い音は
マスクなどで簡単に
減衰しやすい特徴があります。
音は、曲がりますが
高い音から減衰します。
高い周波数の音は、言葉を分かりやすくしますが、マスク、飛沫シートなどで遮られやすい特徴があります。
下は、マスク着用が高い周波数をカットしていることを究明したフランスのオーディオロジーチームのレポートです。
メモ
オーディオの進化、音再生の進化は高い周波数の再現とも言えます
電話は、400〜3,000Hz
AMラジオは、100~7,500Hz
FMラジオは、50~15,000Hz
CDは、20~20,000Hzを再現すると言われています
高い周波数を聴く人に届けると、自然な音で言葉の明瞭度もあがります。
大きなクラシックコンサートでは、ボリュームが上がったように感じずに全ての席に自然な音になるよう音響さんが活躍します。
オペラでは、人物が移動するのにスピーカー出力を音響さんがスライドします。
クラシックなどの楽器本来の音を楽しみたい観客に、スピーカーを感じないようにスピーカーでアシストすることが良い音響関係者、音響なのです。
実際、世界で有名なホールでは会場全てが良い音になるよう音響機器が使われています。
ただ、良い音響はコストがかかります。
コロナ禍で多くの人がコミュニケーションにストレスを抱えています。
触れるなどのコミュニケーションも制限される中、言葉のコミュニケーションは、心のケアのためにも重要になってきています。
以上のことを踏まえストレスないコミュニケーションのために当店舗でも実践している事を紹介します。
音の性質から考える
コロナ禍のオススメ伝達術
○ 拡声器
マスク・飛沫カーテン・ディスタンス
に効果的なのがワイヤレス拡声器です。
¥3,000程度で購入しました。
飛沫防止アクリルの手前でマイクを付け
お客様側にスピーカーをおきます。
騒音のある施設、聞き取り人数が多い環境では、かなり有効な手段になります。
ある程度の人数の会議を、それぞれがパテーション奥で避けた状態で飛沫方向をズラすことが可能になります。
拡声をどの程度することが目安かは、下を参考にしてください。
6デシベル音を大きくすると、音圧が2倍になり話している距離が1/2になると言われています。
20デシベル音を大きくすると、音圧が10倍になります。
メモ
パテーションは、その重さと大きさが防音効果に比例します。
当たり前のようですが、立派なパテーションを用意した場合、同時に大声をださないで有効に相手に伝えるようにデバイスを用意するべきと考えます。
かつて、スーパーの飛沫防止カーテンを引っ張る高齢男性者がワイドショーで紹介されましたが、その高齢者に会話が伝わらない環境が増えたことが、その方をキレさせる原因になったと思っています。
拡声器をオススメする理由が、マイクとスピーカーが無線ですので
相手と向き合わなくても良い
離れてても良いからです。
コロナ禍のオススメ伝達術
○ポップ
決まった案内は、文字化、ポップにしてみてはいかがでしょうか?
担当者が、指で指しながら説明すればテレビのテロップ付きで聴くように内容が相手にスラスラはいってきます。
言葉を見ることと、
聴くことでの脳の使い方は全く別です。
言葉を見て情報処理することが楽
なので、相手と定型のコミュニケーションはポップなど見える化するのもオススメです。
当店では、測定の決まったお声がけはポップも併用しています。
当店で使用している確認ポップ。
以上参考になれば嬉しいです。
随時、情報のアップデートをしたいと思います。